RaspberryPi3Bの熱対策と効果
RaspberryPi3Bでヒートシンクとファンを用いて熱対策を行った場合どのような効果があるのか気になったので実験してみました。
熱対策として用意したもの
ヒートシンクとファンはラズパイ用のものをAmazonで購入しました。ファンは定格5V 0.2Aです。
測定条件
測定時間が1パターン1時間かかるので室温はバラツキがありました。
室温:28.4℃~30.4℃
湿度:41~43%
測定のパターン
ヒートシンクの有無とファンの有無で以下の4パターンをUnixBenchで負荷をかけながらCPU温度を記録しました。()内は略称で使用します。
- ヒートシンク無 ファン無 (H無F無)
- ヒートシンク有 ファン無 (H有F無)
- ヒートシンク無 ファン有 (H無F有)
- ヒートシンク有 ファン有 (H有F有)
測定結果
①ベンチマーク測定中のCPU温度
グラフを見ると、ファンが無い場合はほぼ重なっており差がみられません。ファンを付けた場合はかなり冷えています。こちらはヒートシンクの有無で差が出ており、一番冷えているのはヒートシンク有ファン有のパターンです。
②最大値と平均値
測定結果から、それぞれ最大値、平均値を比較すると下記のようになります。ヒートシンクはファンが無い場合はほとんど効果が無く、やはり冷やすにはファンが必要ということが分かります。
(単位:℃) | H無F無 | H有F無 | H無F有 | H有F有 |
全体最大値 | 84.4 | 83.8 | 63.9 | 58.0 |
全体平均値 | 71.1 | 71.6 | 52.8 | 48.4 |
シングルコア 最大値 | 67.7 | 67.7 | 51.0 | 46.7 |
シングルコア 平均値 | 60.1 | 61.2 | 46.7 | 42.9 |
マルチコア 最大値 | 84.4 | 83.8 | 63.9 | 58.0 |
マルチコア 平均値 | 66.1 | 69.3 | 45.9 | 43.8 |
UnixBenchの測定結果
UnixBenchはSrore Index値だけ比較します。
シングルコアの場合は変わりありませんが、マルチコアの場合は温度が上がるとパフォーマンスが落ちるという結果になりました。
何もつけない場合とファンとヒートシンクを付けた場合で8.1%程度パフォーマンスが下がっています。ヒートシンクだけでも効果はありますが、ファンの方が結果は良くなっています。
H無F無 | H有F無 | H無F有 | H有F有 | |
シングルコア | 311.2 | 313.6 | 313.9 | 312.7 |
マルチコア | 639.1 | 678.2 | 779.6 | 782.3 |
【補足】
①消費電力について
今回、測定している間ワットモニターでラズパイに接続したACアダプタ(定格5V3A)の消費電力を見ていたところファン有の場合は0.3~0.5Wほど上がっていました。消費電力が気になる方は注意しましょう。
(単位:W) | ファン無 | ファン有 |
アイドル時 | 1.5 | 2.0 |
最大負荷時 | 4.7 | 5.0 |
②各部の温度
Benchmarkを取りながら、非接触の温度計で調べていましたがメモリがCPUと同程度に温度が上がるので可能であればメモリにも熱対策を施しましょう。
まとめ
今回の実験で、マルチコア性能を使って負荷が高くなった場合は温度の影響でパフォーマンスが落ちることが分かりました。ヒートシンクとファンそれぞれ効果がありますが、ヒートシンクも多少効果はありますが、ファンの威力にはかないません。
パフォーマンスアップしたい方はファンを付けましょう。