M5StickV、UnitVで困ったときの対処や注意すること
M5StickVは2019/7に発売された時に購入していたのですが、、、AIに関しては全く分からなかったので2020になったのをきっかけに、積みマイコンと化していたM5StickVを使い始めました。Twitterでは沢山使っているつぶやきを見ていましたが、この小さな端末に凝縮された機能は素晴らしいものです。ただ、画期的で小さいが故に色々なトラブルが発生し使用者を困らせることが多いように感じています。
自分が経験したハマりポイントやTwitterで遭遇した困ったことをまとめておきます。UnitVはまだ使いこんでいないので情報少ないですがM5StickVと基本は同じだと思うのでこちらの記事にまとめていきます。
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記事で利用した環境
- OS:Windows10 Pro(64bit)及びUbuntuLinux 18.04.3LTS
- MaixPy:V0.2.4
- kflash_gui:V1.5.3
- M5StickVのファームウェア:maixpy_v0.5.0_12_g284ce83_m5stickv.bin以前
ファームウェアやツールはバージョンが変わると対処法等変わる可能性があります。
電源のトラブル
電源が切れない
電源OFFは電源ボタン6秒押し
USBから給電しない状態で、TFカード(microSD)スロット側にあるボタン(以下、電源ボタン)を6秒以上長押しすると電源を切ることができます。
USBから給電しているときに電源が切れない(仕様です)
USBケーブルを接続し、給電している状態では電源OFFの操作をしても再び電源がONになる仕様です。
USBケーブルを外しているのに電源が切れない
満充電直後だと電源が切れない場合があるようです。少し時間が経ってから再度電源OFFの操作を行いましょう。
電源が入らない
電源が入らない場合も諦めずに下記の対処を試してみてください。復活する場合があります。購入直後の場合は、初期不良も可能性もあると思うのでその場合は、対処⑤ぐらいまで試してみて販売店に相談しましょう。
対処① リセットする
リセットは電源ボタンを6秒長押し→2秒長押しです。
対処② 電源ボタンを短く二回押ししてみる
一部のファームウェアで電源ONの仕様が変わっていた時期がありました。電源ボタンを短く2度押ししてみましょう。(普通は2秒長押しで電源ONになります。)
対処③ PCに接続してみる(デバイスが認識するかどうか確認)
初心者はWindows10が分かりやすいです。デバイスを繋いだ時に音が鳴るかどうか試してみてください。
対処④ ファームウェアを書き直してみる
購入時のファームウェアは古い可能性があるのでhttps://m5stack.comからファームウェアをダウンロードして入れ替えましょう。(2020/1/20現在の安定版はM5StickV_Firmware_1022_beta.kfpkgです。)
https://docs.m5stack.com/#/en/quick_start/m5stickv/m5stickv_quick_start
対処⑤ 5V2A以上のACアダプタで充電してみる
充電池が放電した状態だと起動できない場合があります。500mAだと充電できない場合もあるようなので5V2A以上のACアダプタで充電してみましょう。
対処⑥ しばらく放置してみる
1週間ぐらい放置してみましょう。
microSDのトラブル
TFカード(microSD)は相性があります。最新ファームウェアでは大分改善されたようですが、厳密にmicroSD規格には対応しておらず相性問題が発生しています。(SPIインターフェースという普通のパソコンやスマホで使う方式と全く違うインターフェースを使っています。)
私のイチオシmicroSDカードはLexar 633x V10の32GBです。今のところ6枚使っていますが、あまり問題は発生していません。秋葉原だと、あきばお~、浜田電機、東映無線で見かけます。
Lexar 633x V10は2021頃から入手が困難になりました。KIOXIAの青やSandisk Ultraの赤など、一般的なメーカーで動くものがあるのでそちらを入手してみてください。
有志のmicroSDカード動作確認一覧(無保証)
TwitterでミクミンP氏が有志からの情報を集めて一覧を公開されています。こちらの一覧を参考にして購入するといいと思います。(ただし、ロットの違いや初期不良等により動作しない場合もあるのでその点はご了承ください。)
※ 不安な方は購入する時に相性保証があるかどうか確認するのを忘れずに。
マイクのトラブル
マイクは使えません。(2020/9以降の最新モデルでは使えるようになりました。)
マイクは設計上の問題があり、2020/1時点では動きません。M5Stack公式が今後検討するというツイートを2020/1にしていますが実現するかどうか不明な上、時期は未定です。今のところ使えないと思っていた方がいいです。
マイクについて、2020/9以降のモデルからは使えるようになりました。
デバイスを認識しないトラブル
不明なデバイスとして認識される/デバイスを認識しない
たまに遭遇します。。。ケーブルを接続しても何も反応しなかったり、「不明なデバイス」として認識されてしまい通信ができません。
対処① USB-TypeCの裏表を逆に接続してみる
裏表がないという触れ込みのUSB-TypeCですが、規格に準拠していない場合裏表が関係するようです。端子を裏返して再接続してみましょう。
対処② ケーブルを変えてみる
ケーブルを替えてみると認識する場合があります。
対処③ USB-TypeCポートの場合、ハブや変換コネクタを挟んでみる。
USB-TypeC準拠ではないので、USB-TypeCーUSB-TypeCのケーブルで接続しようとすると認識しない場合があるようです。USBのハブ(USB2.0がベスト?)やUSB-TypeC-USB-Aの変換コネクタを挟んで接続してみてください。
対処④ ドライバを手動で更新する
不明なデバイスと表示された時はWindows10の場合、デバイスマネージャーで下記の操作を行うと復旧する場合があります。
- 不明なデバイスを選択し、右クリックで「ドライバの更新」を選択
- 「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索」をクリック
- 「コンピューター上の利用可能なドライバの一覧から選択します」をクリック
- 「互換性のあるハードウェアを表示」のチェックが入っていた場合外す
- 製造元:FTDI モデル:「USB Serial Port」を選んで「次へ」
- ドライバーの更新警告は「はい」をクリック
- デバイスを再接続してみる
何度も繰り返して復旧したという方もいらっしゃいます。(-_-;)
対処⑤ ドライバを削除してから再インストールする。
詳しい手順は書くと長いので省略します。「Windows10 ドライバ 再インストール」で調べてください。最新のドライバは下記のリンクからダウンロードできます。
https://www.ftdichip.com/Drivers/VCP.htm
MaixPy IDEのトラブル
ダウンロードリンクが分かりづらい
Readme.txtを下にスクロールして正しいリンクを探しましょう。MaixPyIDEの最新版はhttps://m5stack.comかhttp://dl.sipeed.com/MAIX/MaixPy/ide/から取得できます。
接続ができない(新規ターミナルからは接続できる。)
自分でハマりました。接続しようとしても繰り返すだけで動きません。
対処① MaixPyIDEのバージョンを確認
IDEからこの機能はMaixPyIDEの0.2.4以降で追加された機能です。MaixPyIDEの最新版はhttps://m5stack.comかhttp://dl.sipeed.com/MAIX/MaixPy/ide/から取得してください。
https://docs.m5stack.com/#/en/quick_start/m5stickv/m5stickv_quick_start?id=maixpy-ide
対処② ビルドした場合、ファームウェアを確認する。
MaixPy IDEから接続するためにはファームウェア側MaixPyIDEプロトコルに対応していないといけません。自分でビルドした場合はmenuconfigの設定を見直して再ビルトしましょう。
対処③ ファームウェアを入れ替えてみる。
購入時のファームウェアは古い可能性があるのでhttps://m5stack.comからファームウェアをダウンロードして入れ替えましょう。(2020/1/20現在の安定版はM5StickV_Firmware_1022_beta.kfpkgです。)
https://docs.m5stack.com/#/en/quick_start/m5stickv/m5stickv_quick_start
【UnitVのみ】LEDを使おうとしてもModuleが無いというエラーが出る
WS2812というNeoPixelのLEDを使っているのですが、使うファームウェアによってそれが有効化されていません。使えるバージョンのファームウェアを利用するかファームウェアの設定を変えてビルドしなおす必要があります。
【UnitVのみ】lcdモジュールを使うとボタンの値が取れない
UnitVにはLCDは付いていないので問題は無いのですが、ボタンで使用しているGPIO18(ButtonB)とGPIO19(ButtonA)はM5StickVのLCDと被っています。(https://docs.m5stack.com/assets/img/product_pics/core/minicore/m5stickv/m5stickv_04.jpg)ソースをM5StickVと共通化する際は注意が必要です。lcdと同時に使うとボタンの値が0のままでボタンを使うことができません。UnitVでlcdを使わないようにロジックを組む必要があります。
M5StickVとUnitVの区別はI2Cデバイスの有無で条件分岐できるようです。(I2C機器を繋いでいる場合は0x23のAXP192の有無で判断した方が良いかも?)
その他
M5StickV+は発売されません。(2020/1情報)
かなり楽しみにしている方も多くみられた無線機能付きのM5StickV+は残念ながら計画がキャンセルになったようです。今のところ、M5StickCとUnitVを組み合わせて通信を行うのがベストです。
終わりに
初心者にはハードルが高い壁が待っているかもしれませんが、ちゃんと動かせると素晴らしい機能を持った楽しいガジェットです。トラブルに負けず楽しく使っていきましょう。(‘◇’)ゞ
M5StickVやUnitVの購入方法は下記の記事を見てください。
M5Stack、M5StickC、M5StickV、M5Atom、M5Paper、M5CoreInkなどM5Stack製品の買い方更新履歴
- 2021/5/28 マイクの仕様変更とMicroSDカードの推奨を変更
- 2020/1/20 新規作成