ラズパイ4Bの熱やパフォーマンスについて調べてみた

eyecatch

 技適マークありのラズパイ4Bを2019/11/29に入手しました。Twitterでもつぶやいていましたが、早速UnixBenchを使いつつ、熱やパフォーマンスについて調べてましたのでまとめておきます。

 もくじ(Index)

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はじめに

 入手して一週間の時点で使った感じと、測定した実験結果を整理しました。電源や温度条件によっても結果は変わると思うのでその点はご了承ください。

テストで使用した環境

 今回は下記の構成でテストしました。

ハードウェア

ラズパイ4B

使用した変換コネクタ

ラズパイ3B+

SDカード、ACアダプタは同じものを利用し、同一のテストを行いました。ケースはAmazonで買ったGeeekPiのアーマーケースです。

ソフトウェア

RaspbianはLiteではなくwith desktopでGUIも起動していますがモニターは繋いでいません。

測定条件

  • 室温は20~23℃
  • ケース無ファン無、ケース有ファン無、ケース有ファン有の3パターンを計測
  • 1秒おきにvcgencmdでCPU温度、CPU周波数、throttledを記録
RaspberryPi4にアーマーケースを装着した様子

サーモカメラ

 サーモカメラはM5StackFireとサーモカメラUnitを使用しました。(解像度は32×24)

測定結果

CPU温度

 4Bはヒートシンク無でも80℃を超えたのは1回だけでした。3B+もRaspbianStretchで以前計測した時はもう少し超えていたのですが、大分改善されてきたようです。平均値を見るとケースもファンも無場合に4Coreのテストが、4Bは72.9℃、3B+は66.6℃と大きく上昇しています。

【参考】Raspbian Stretchで計測した際は下記の記事を参照してください。

RaspberryPi3B+は熱対策した方がパフォーマンスが上がる。
RaspberryPi4BRaspberryPi3B+
1Core Avg 4Core AvgTotal Avg1Core Avg4Core AvgTotal Avg
CaseOff FanOff56.472.965.454.266.660.6
CaseOn FanOff45.555.951.246.758.852.9
CaseOn FanOn39.346.343.242.049.345.8

CPU周波数

 グラフだけだと分かりづらいのですが、4Bは1.5GHzと600MHz、3B+は1.4GHz、1.2GHz、600MHzを切り替えており、4Coreのテスト時は頻繁に切り替わっています。

vcgencmd get_throttledの結果

低電圧状態と熱によるクロックダウン状態の数をカウントしてみました。RaspberryPi4はどの条件でもずっと影響がなく、3B+では熱の影響でかなりの回数クロックダウンしています。

 3B+は以前よりも熱によるクロックダウン状態が多い印象なのですが、RaspbianBusterで何か変更になったのかもしれません。

RaspberryPi4BRaspBerryPi3B+
パターン低電圧警告熱による
クロックダウン
低電圧警告熱による
クロックダウン
CaseOff
FanOff
0013回1,375回
CaseOn
FanOff
000699回
CaseOn
FanOn
0000

UnixBenchのIndexScore

 UnixBenchの個々の結果については【補足①】で述べます。ここでは全体のScoreIndexのみ比較します。
結果からわかる点は下記の4点です。

  • 1Coreの場合は3B+の方が速い
  • 4Core時は4Bの方が速い
  • 3B+は熱の影響でスコアが下がる。
  • 4Bは今回の条件であればヒートシンク無でも熱の影響を受けない。
RaspberryPi4BRaspberryPi3B+
1Core4Core1Core4Core
CaseOff
FanOff
309.9828.4318.7691.1
CaseOn
FanOff
308.9830.0320.3688.8
CaseOn
FanOn
309.4824.7320.8779.6

サーマルカメラの記録(ケース無ファン無のみ)

 サーマルカメラでは1時間弱の測定の間、10秒おきに画像を記録しました。それを21秒に縮めた動画を確認したところ以下のことが分かりました。発表当初は爆熱と騒がれていた4Bですが、実際に測ってみると3B+と爆熱具合は変わっていません。
 日本の技適対応版は回路も変更されているようなのでその影響もあるかもしれませんが

※4BのCPUとWLANチップの温度が低いのは恐らく反射の影響です。

  • 両方とも基板全体が熱くなっている。
  • 最高温度は4Bが63℃、3B+は64℃とほぼ同じ

ラズパイ4Bは温度で制限をしていない模様(ソフト的に)

2020//1/7追記

 色々調べていたら、ラズパイ4Bは熱によるクロックダウンはソフト的に行っていないそうです。(詳細は下記のリンクを参照してください。)また、3B+に関しては以前測定したよりも低い温度(60℃)でクロックダウンが行われていることが分かりました。

 いずれにせよ、高温で使い続けることは製品の寿命を縮めることにもなるので、やはりファンは有った方がいいでしょう。

Frequency management and thermal control

まとめ

 電源や温度条件の違いによっては別の結果もあると思いますが、今回の条件で測定したところ、ラズパイ4Bはラズパイ3B+と比較して爆熱ではなく、パフォーマンスアップしているという結果になりました。

 UnixBenchだとメモリ増加やUSB3.0対応の恩恵は測定できないので、しばらく使ってみてまた追記できることがあればしていきたいと思います。

 

【補足①】UnixBenchの結果

 アーキテクチャの変更が影響しているのかすべての項目で4Bが上という結果ではありませんでしたが、全体的にパフォーマンスはアップしているようです。1Coreのテストでは3B+が優勢のようですが基本はマルチコアで動作するので4Bで性能アップしているのは間違いないと思います。

 

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