スタックチャン タカオ版で試したPWMサーボ(SG90系)

 BOOTHでスタックチャン タカオ版組み立てキットを頒布する少し前から、スタックチャンに適したSG90系のサーボを探すようになりました。かなりの数を調べたので記録に残しておきます。調べたと言っても、各サーボ2~6個なので参考程度でお願いいたします。(値段は2022/5現在のものです。)

 もくじ(Index)

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はじめに

 この記事はスタックチャン M5GoBottom版で確認しています。SG90系のサーボは製品によってサイズが若干異なる場合がありぴったり入らない場合もあります。その点はご了承ください。

FEETECH FS90MG(おすすめ度:★★★★☆、入手性:★★★★☆)(試した個数:4個)

 スイッチサイエンスで、2022/5/19から取り扱いが始まったFEETECHのFS90MG。耐久性はまだ分かりませんが、メタルギア/鳴りも無い/動きもスムーズなので私の中ではイチオシです。(※個体によるかもしれないのであくまでも参考でお願いします。)耐久性については個体にもよりますが、2週間~最大半年ぐらい持っています。(チューブの震え対策で伸びるかもしれません。)

【2023/3/27追記】FS90MGは配線が長いまま使うと、バッテリーでの動作時やUSB接続時でも特定の角度で震える現象が確認されました。後述の対策を見てください。

長所

  • 鳴らない
    止まっているとき静かです。(個体や負荷によっても変わるのであくまでも参考でお願いします。)
  • M5Stack内蔵バッテリーでも安定して動く
    2個のサーボをコンデンサ追加なして動くのを確認しています。
  • メタルギア
    耐久性はまだ分かりませんが高そうです。
  • 品質は安定していそう
    スイッチサイエンス取り扱いなので安心できそう(?)です。

短所

  • 配線が長い
    配線が長いのでコンパクトに収めることができません。
  • 配線が固い
    大きな問題にはならないかもしれませんが、SG90系でみたケーブルよりもちょっと固い印象があります。
  • 震える場合がある。
    M5Stackからの電源供給だけでは保持力が足りないとハンチングという現象が起きて震えるようになります。後述の対策を行うと軽減することができます。

入手先

FS90MGが震える現象への対策

 FS90MG用の対策は4通りあります。③はダイオードの直列接続が必要なのでコンパクトにするためには半田付け作業が発生します。④が一番簡単なのでホームセンター等で7x9mmか7x10mmのシリコンチューブを手に入れて対策して見てください。

①サーボの配線を短くする。

 圧着工具と2.54mmのコンタクトが必要です。

②M-BUSの3.3VからサーボのVCCへ接続する。(Core2(白のみ可能))

 ★Core2(白)で裏の小さいカバーを外すので、マイクと6軸IMUは使用できなくなります。

 ジャンパーワイヤーの(オスーオス)が1本必要です。詳しい手順は下記のツイートを見てください。

③ダイオードを直列接続し、Groveの5VとサーボのVCC間に接続する。

 ダイオードの電圧降下を利用して5Vから降圧しサーボのVCCへ接続します。3.3Vに近づけるほど安定するようです。

④サーボとホーンの間にシリコンチューブを挟む

 Twitterで@S_Okue さんがつぶやいていた情報です。7x9mm(内径7mm x 外径 9mm(10mmでも恐らく大丈夫です。))のシリコンチューブを7~8mmぐらいにカットしてサーボとホーンの間に挟むだけで震え対策になるようです。

 

SG90(純正品)(おすすめ度:★★★★☆、入手性:★★★★☆)(試した個数:6個+新ロット6個)【2023/9更新】

 TowerPROの純正品です。私が買った製品がいけないのかもしれませんがスタックチャンの用途ではあまりお勧めできません。(秋月電子で購入したものなので純正品だと思います。)

【2023/9/17 更新】現在入手できるSG90(秋月電子の純正品のみ)は改善されたようです。そのためおすすめ度を★2から★4に変更しました。耐久性は現在実験中です。

長所

  • 鳴らない。
    2023/9/15に6個入手しましたが、鳴らなくなりました。
  • 内蔵バッテリーだけで2個サーボを動かせる。
    M5Stack Core2で確認しました。もしかしたらロットによって電源が落ちることもあるかもしれません。

短所

  • 動きが少しカクカクする。
    個人的な感想かもしれませんが、FS90MGと比較すると少し動きがスムーズでない気がします。シリコンチューブを挟むと少し解消されます。
  • 鳴る。
    結構な確率で鳴ります。
  • サーボ2個を内蔵バッテリーで動かせない。
    2個のサーボをバッテリーで動かすことができませんでした。コンデンサを入れても改善せずUSBで電源を供給する必要があります。
  • 配線が長い
    配線が長いので、コンパクトに収めることができません。

耐久性の実験の様子

2023/9/14から開始しています。1日8時間以上でほぼ毎日動かすという条件でテストしています。

入手先

M5Stack ServoKit 180°(おすすめ度:★☆☆☆☆、入手性:★★★★★)(試した個数:8個)

 M5Stackが販売しているSG90タイプのサーボです。入手しやすく、私が入手した3セット(6個)だけですが品質のばらつきは少なくSG90の互換品としては安定しています。
 【2023/12/8追記】ServoKit180に含まれているサーボホーンが、タカオ版とは合わないものに変わってしまいました。そのためおすすめ度を下げました。もし合わない場合は、十字の手裏剣型のものを元に加工すると良いそうです。

長所

  • 配線が短いのでコンパクト
    SG90サーボは一般的にケーブルが長いものが多いのですが、4cm程度なので非常にコンパクトにできています。延長ケーブルもキットに含まれているので長さが必要な時も対応できます。
  • LEGO互換のアタッチメントが付属
    LEGO互換のアタッチメントが付いてるのでLEGOテクニックと組み合わせると色々なものを作ることができます。
  • 2セット入っている。

短所

  • サーボホーンを取り付ける内径がSG90純正品とは異なります。
  • バッテリーだけでは2サーボ動かせない場合がある。
    1サーボだとほぼ問題ないのですが、2サーボをM5StackのGPIO直結で動かそうとすると電源がリセットされる場合があります。
  • プラスチックギア
    ギアはプラスチックなので耐久性は低そうです。
  • 鳴る場合あり
    サーボを動かしたり、ある角度で止まるとブーンと鳴ったりする場合があります。個体差のようです。

入手先

 ※サーボが2個入っている値段です。

SunFounder SF180M(おすすめ度:★★★★☆、入手性:★★★★☆)(試した個数:4個)

 セミメタルで内部のギアはプラスチックですが、1段目,2段目のギアがメタル素材です。
 ※ タカオ版にSF180Mに付属の木ネジは使わないでください。ブラケットが割れてしまいます。

長所

  • セミメタルギア
    割としっかり動きます。耐久性は内部がプラスチックなので微妙なのですが、スタックチャンで使う分には問題なさそうです。
  • 内蔵バッテリーでも安定して動く
    私は4個、あとはTwitterでロボさんが2個確認していますが、コンデンサが無くても安定して動きます。

短所

  • サーボホーンの形状が違う
    形状は違うのですが、穴の間隔はSG90のサーボホーンと一緒なので使うことができます。
  • 固定用の木ネジが太い
    残念ながら、太すぎてM5GoBottom版のブラケットには使えません。別途2mmの木ネジを用意する必要があります。
    この点が致命的過ぎておすすめ度が★4つです。
  • 配線が長い
    配線が長いので、コンパクトに収めることができません。
  • 入手性
    2022/3現在では問題なさそうですが、販売がAmazonだけなので入手できなくなる可能性もありそうです。

入手先

 ※サーボ2個の値段です。

  • Amazon(¥1,198 ※2023/9現在)

SG92R(純正品)(おすすめ度:★★★★☆、入手性:★★★★★)(試した個数:2個)

 TowerPROの純正品です。SG90よりも高トルクです。模倣品も出回っているので秋月電子や共立エレショップで購入するのが確実だと思います。

長所

  • カーボンファイバーを配合したギアなのでSG90よりも耐久性はありそう。
  • 高トルクなのでSG90よりも安定した動きを見せる。

短所

  • 配線が長い
    配線が長いので、コンパクトに収めることができません。
  • バッテリーだけでは2サーボ動かせない場合あり。
    私は問題なく動かせているのですが、個体により動かない可能性もあります。
  • 鳴る。
    個体によるかもしれませんが、鳴ります。

入手先

番外その①:MG90S(純正品) ※サイズが違うので工夫が必要です。

 サーボのサイズがSG90と異なるので、スタックチャン M5GoBottom版で使うにはスペーサーを入れたり、削ったりする工夫が必要です。

長所

  • メタルギア
    メタルギアなので耐久性とトルクが高いです。

短所

  • サイズが違う。
    SG90と寸法が異なります。
  • サーボ2個をM5Stackのバッテリーで動かせない。
    コンデンサを入れても改善せず、USBで電源を供給する必要があります。
  • 配線が長い
    配線が長いので、コンパクトに収めることができません。

番外その②:MG90S(模倣品)AliExpress, Amazon

 買って届くまで当たり製品か分かりません。入手性が悪いのでおススメしません。あとメタルギアといいつつ内部はプラスチックギアというのもあるようです。品質もバラツキがあります。

MG90Sの模倣品は自分が確認しただけで3種類あります。

(各サーボで内部プラスチックのも確認したので本当は6種類?)

  1. MG90Sと同じサイズのもの
    純正品と同じ特徴です。
  2. SG90と同じサイズ、同じサイズのサーボホーン
    これが当たりです。
  3. SG90と同じサイズ、異なるサイズのサーボホーン
    これが来たら諦めてください。※ 3Dプリンタをお持ちの場合、スタックチャンのケース側のデザインを変える方法があります。

番外その③:SG90(模倣品)AliExpress, Amazon

 純正品と比べるとホーンやギアの寸法が異なる場合があります。タカオ版では寸法違いはあまり問題になりませんが、品質にはバラツキがあるので購入する場合は覚悟してください。

サーボが震えたり、鳴る(ジーという音がする)場合の対策

 Twitterで@S_Okue さんがつぶやいていた情報です。7x9mm(内径7mm x 外径 9mm(10mmでも恐らく大丈夫です。))のシリコンチューブを7~8mmぐらいにカットしてサーボとホーンの間に挟むだけで震え対策になるようです。

おわりに

 SG90についてはAmazonやAliExpressで格安品の場合模倣品が出回っています。それを狙う手もありますが、当たり外れが大きいです。このサイズのサーボモーターは個体差も大きく鳴ったりするので買ってみるまで分からない部分も多いので特にどれがおススメというのが難しいです。サーボが安定しなかったり、うるさい場合は他のサーボも試してみてください。

 

更新履歴

  • 2023/3/27   FS90MGの震え対策について追記
  • 2022/5/21   FS90MGを追加
  • 2022/5/5   新規作成

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